| カテゴリ | 再侵入種 | |
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| 生物のグループ | 哺乳類 | |
| 高次分類名【和名】 | 脊索動物門 哺乳綱 ネコ目（食肉目） クマ科 | |
| 高次分類名【学名】 | Phylum Chordata Class Mammalia Order Carnivora Family Ursidae | |
| 種名／亜種・変種・品種名 | 種名【和名 英名】 | ツキノワグマ Japanese black bear |
| 亜種・変種・品種名【和名】 | ニホンツキノワグマ | |
| 種名【学名】 | Ursus thibetanus Cuvier | |
| 亜種・変種・品種名【学名】 | Ursus thibetanus japonicus Schlegel | |
| 分布 | 国内 | 本州, 四国 |
| 国外 | 日本固有亜種。他の亜種は，アフガニスタン，イラン南東部からユーラシア大陸（中国，ロシア），朝鮮半島，台湾，インド亜大陸，インドシナ半島などに広く分布する。 | |
| 生物学的情報 | 成獣の体長は120～170 cm，体重はオスが80～100 ㎏，メスで50～70 ㎏程度。胸に三日月型の白斑がある個体が多く，ツキノワグマの名称の由来となる。 森林に住み，雑食性で食物のほとんどは植物質だが，昆虫や小動物の他，カモシカの幼獣や大型動物の死骸も食べる。秋には冬眠前の体脂肪蓄積のためブナやミズナラなどの堅果類を大量に食べる。 冬期には樹洞，土穴，岩穴などで冬眠し，メスは冬眠中に1～2頭の仔を出産する。交尾期は6月前後で，受精卵の着床遅延を行う。 本種の分布域に近似種はいないが，北海道にはより大型になる別種のヒグマが生息する。 |
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| 分布生息状況 | 本州と四国に分布するが，四国では剣山周辺にわずかな個体数が生息するにすぎず，絶滅の危機にある。 かつては九州にも分布したが絶滅した。本州では青森県から山口県までほとんどの県に分布し，分布域はむしろ拡大傾向にある。 茨城県では，1765年，大子町男体山で捕獲されたのが最後の確実な記録である。その後，近年に至るまで記録はなかったが，1990年以降，北部の八溝山地と阿武隈山地で生息情報が聞かれるようになった。大子町では，2006年に幼獣の交通事故事例があった。この個体は遺伝子解析により，東日本ハプロタイプ（福島県西会津および山形県蔵王の集団）であることが判明した。また2016年には，常陸太田市のｽギ林内に置かれた養蜂箱にツキノワグマによる被害が発生し，その近隣ではスギの樹皮剥ぎが確認されるなど，断定はできないが定着が示唆される。 |
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| 再侵入種情報 | 茨城への侵入年 | 1990年以降 |
| 定着の有無 | 不明 | |
| 在来種・生態系・農水産業への影響 | 個体数が増えれば林業や人畜への被害の発生が懸念される。今のところ，常陸太田市における養蜂場での巣箱の破壊（2016年）のみ報告されている。 | |
| 対策 | 専門家による調査や住民からの聞き取りなどによって，侵入（生息）状況の把握につとめている。定着の判定には，子連れの雌クマの確認が重要である。 | |
| 特記事項 | IUCNはVU（危急種）に指定。 | |
| 引用・参考文献 | 日本クマネットワーク 2012 日本クマネットワークシンポジウム要旨集，平成24年2月26日（広島市）．18 pp. 日本クマネットワーク 2014 日本クマネットワークシンポジウム要旨集，平成26年3月30日（東京大学）．19 pp． 竹内正彦・藤本竜輔・森島和也・安井さち子・山﨑晃司 2015 茨城県産野生哺乳類目録．茨城県自然博物館研究報告，(18)： 71-82． 山崎晃司 2017 ツキノワグマ―すぐそこにいる野生動物―．258 pp., 東京大学出版会． |
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| 執筆者名（協力者名） | 山根爽一 | |