茨城県の野生動植物データベース

クルメサヨリ 

カテゴリ レッドデータ種
生物のグループ 魚類
高次分類名【和名】 脊索動物門   条鰭綱   ダツ目  サヨリ科  
高次分類名【学名】 Phylum Chordata  Class Actinopterygii  Order Beloniformes  Family Hemiramphidae
種名/亜種・変種・品種名 種名【和名 英名】 クルメサヨリ
亜種・変種・品種名【和名】
種名【学名】 Hyporhamphus intermedius (Temminck et Schlegel)
亜種・変種・品種名【学名】
分布 国内 本州, 九州
国外 朝鮮半島,黄海,渤海~ベトナム北部の東シナ海と南シナ海沿岸,台湾。
生物学的情報 体は細長い円筒形で,下あごは長く突出し,頭長よりも長い。下あごの先端は黒い。胸鰭軟条数は10~12。内湾,河川の下流域から河口域,汽水湖などに生息し,淡水域にも来遊する。表層を遊泳する。動物プランクトン,陸上昆虫などを食べる。産卵期は春から夏。抽水植物の茎などに産卵する。仔稚魚は植物帯周辺で成育する。
県内の海域に生息する近似種のサヨリは,下あごが頭長よりも短 く,下あご先端の下面が朱色であること,胸鰭軟条数が多いことで識別できる。
分布生息状況 青森県~山口県の本州と九州北岸・西岸に局所的に分布;朝鮮半島,黄海・渤海~ベトナム北部の東シナ海と南シナ海沿岸,台湾。
県内では霞ヶ浦,利根川水系,涸沼,那珂川などに生息する。
レッドデータ・カテゴリ 茨城県2016:準絶滅危惧;茨城県2000:対象外;環境省2014:準絶滅危惧
レッドデータ選定理由 ①生息環境の悪化 ②大部分の個体群における個体数の減少 ③生息地の局限
1960年代半ばまでは霞ヶ浦をはじめとする県内水域で年間100トン以上が漁獲されていたが,その後は減少傾向にあり,現在でも漁獲はされるが,自家消費される程度の量である。霞ヶ浦には広範囲に生息するが,産卵場・成育場となる水生植物帯の劣化・消失が続いており,今後,絶滅危惧種へと移行する恐れがある。
生存の危機 河口堰の設置による回遊阻害,埋立てや干拓,護岸工事に伴う水生植物帯の減少などによって生息環境が劣化・消失している。
特記事項
引用・参考文献
執筆者名(協力者名) 碓井星二・加納光樹

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