茨城県の野生動植物データベース

カンテンコケムシ 

カテゴリ レッドデータ種
生物のグループ その他無脊椎動物
高次分類名【和名】 外肛動物門  被喉綱  ハネコケムシ目  ヒメテンコケムシ科 
高次分類名【学名】 Phylum Bryozoa  Class Phylactolaemata  Order Plumatellida  Family Lophopodidae
種名/亜種・変種・品種名 種名【和名 英名】 カンテンコケムシ
亜種・変種・品種名【和名】
種名【学名】 Asajirella gelatinosa (Oka)
亜種・変種・品種名【学名】
分布 国内 本州
国外 インド, ビルマ,インドネシア,中国,台湾,朝鮮半島など
生物学的情報 群体は底面から軟らかい寒天質を分泌して群体塊をつく り,杭や水草の茎などで固着生活を営む。直径1~1.5㎝の透明なこぶ状の群体が多数集まり,長さ5~20㎝ほどの群体塊を形成する。夏には有性生殖によって幼生を産出する一方で,休芽(スタトブラスト)を多数形成し,越冬に備える。浮遊性休芽は角のとれた扁平な四角形で,周縁部に微小な鉤状の棘を多数有する。付着性休芽は形成しない。
本種は休芽の状態がヒメテンコケムシと大きく異なる。また,群体塊をつくる点で,オオマリコケムシに似るが,休芽の形態や個虫の色で明瞭に区別される。オオマリコケムシは周縁に約16本のいかり状の棘のある円形の浮遊性休芽を有し,個虫の口の周辺が赤い。
分布生息状況 国内では東北以西に分布。アジア地域の固有種で,インド, ビルマ,インドネシア,中国,台湾,朝鮮半島などに分布。
湖沼,溜池,用水路などの水の流れのない水域に生息する。茨城県内では,2004年に旧東町(桜川市)の横利根川(休芽のみ)や下妻市の砂沼で確認されている。
レッドデータ・カテゴリ 茨城県2016:絶滅危惧Ⅱ類;茨城県2000:希少種;環境省2014:対象外
レッドデータ選定理由 ①生息環境の悪化 ③生息地の局限
県内では分布が限定されており,報告例が極めて少ない。
生存の危機 水質の悪化,岸の改変などの生息環境の悪化による影響が危惧される。
特記事項 近年の採集例がない。[群馬県:絶滅危惧Ⅱ類,滋賀県:希少種,京都府:要注目種,兵庫県:Bランク]
引用・参考文献
執筆者名(協力者名) 池澤広美・茅根重夫(広瀬雅人)

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